フィリピン大使館、笹川平和財団とともに、 日比友好70周年記念シンポジウムを開催

2026年7月8日笹川平和財団にて開催された、2026年日・フィリピン友好年記念シンポジウムにて、 「包括的安全保障を通じた強靭性の構築」と題したパネルデスカッションに参加するミレーン・ガルシア=アルバノ駐日フィリピン大使(ステージ上右から2人目)
2026年7月9日東京―今年、フィリピンと日本が国交正常化70周年を迎えることを受け、在日フィリピン大使館と笹川平和財団(SPF)は、2026年7月8日「2026年日・フィリピン友好年記念シンポジウム」を開催し、新たに構築された「フィリピン・日本包括的戦略的パートナーシップ」の下での協力の道筋について議論がされました。
「新たなフロンティアを拓く:日本・フィリピンパートナーシップの次の70年を築く」と題されたこのハイブリッド形式のシンポジウムには、政府関係者、外交政策の専門家、学者、民間セクターの代表者、在日フィリピン人コミュニティのメンバー、その他のステークホルダーが一堂に会し、フェルディナンド・R・マルコス・ジュニア大統領の2026年5月の国賓訪日時に、二国間関係が「包括的戦略的パートナーシップ」へと格上げされたことを受け、両国が安全保障、経済的レジリエンス、イノベーション、人的交流の各分野で協力をいかに深化させることができるかについて議論が行われました。
ミレーン・ガルシア=アルバノ駐日フィリピン大使はスピーチの中で、経済的繁栄と地域の安全保障を持続可能な目標として位置づけたフィリピン・日本包括的戦略的パートナーシップの長期ビジョンを実現するため、関係各所に協力を呼びかけました。
「社会のあらゆる分野におけるフィリピン人と日本人の人的交流から生まれた成果を育みながら、さまざまな分野へのパートナーシップ拡大の可能性を最大限に引き出し、フィリピンと日本の友好関係の共同構築者として、国民や地域社会を力づけていかなければなりません」と、ガルシア・アルバノ大使は述べました。
フィリピンのマリア・テレサ・P・ラザロ外務大臣は、ビデオメッセージの中で、フィリピンと日本は、従来の防衛協力を超えて、食糧・エネルギー安全保障、強靭なインフラ、安全なサプライチェーン、質の高い雇用、海上安全などを包含する包括的な安全保障アプローチを引き続き追求すべきであると強調しました。また大臣は、フィリピンと日本のコミュニティが協力して、将来の成長の原動力を育む可能性についても言及しました。
「このシンポジウムが、両国の包括的戦略的パートナーシップのさらなる発展に寄与することを願っています。さまざまな課題に直面する中でも、平和、繁栄、そして両国民のエンパワーメントに向けた私たちの共通の決意が、今後も私たちの指針となる北極星のような存在であり続けるでしょう」とラザロ外務大臣は述べました。
茂木敏充外務大臣はビデオメッセージの中で、フィリピンを、基本的な価値観や原則を共有する日本にとって最も親密な志を同じくする国の一つであり、安全保障協力を推進し、両国間の二国間関係の基盤を育んでいくという日本の決意を表明しました。
茂木外相は、「日本は、進化した『自由で開かれたインド太平洋(FOIP)』の実現と、フィリピンとのパートナーシップの今後70年に向け、幅広い分野でフィリピンとの協力をさらに深化させていく」と述べました。
フィリピンのフアン・ミゲル・F・ズビリ上院議員(上院多数党院内総務兼上院外交委員会委員長)は、「包括的安全保障を通じた強靭性の構築」をテーマとしたパネルディスカッションの冒頭で、基調ビデオ講演を行いました。ズビリ上院議員は、フィリピンと日本の戦略的パートナーシップに言及し、ルールに基づく地域秩序の維持と、二国間の安全保障・防衛協力の強化の重要性を強調しました。
ズビリ上院議員は、7月12日に迎える2016年の南シナ海に関する仲裁裁定の10周年を前に「私たちは、全力を挙げて主権を守ることを学ばなければなりませんでした。そのため、仲裁裁定に対する外交的支援だけでなく、防衛能力の向上に役立つ安全保障上の支援や共同演習を通じて、日本が私たちの味方になってくれていることに、心から感謝しています」と、述べました。
「包括的安全保障を通じた強靭性の構築」と題したパネルディスカッションのパネリストには、ガルシア=アルバノ大使、和田義明衆議院議員、笹川平和財団西田一平太上席研究員が登壇しました。神戸市立外国語大学の木場紗綾准教授がモデレーターを務めました。
和田議員は、フィリピンへの訪問や、第2次岸田内閣で防衛大臣補佐官を務めた経験に基づき、日本とフィリピンは、南シナ海における現状を変更しようとする一方的な試みに断固として抵抗し、ルールに基づく秩序の維持に向けて国際社会に対し一致団結して声を上げなければならないと述べました。
包括的な安全保障に関するパネルディスカッションに続き、日本とフィリピンにルーツを持つ女優・モデルの高橋メアリージュン氏が、二つの文化の間で育った自身の体験や、両国の人々の経験や願いを通じて、フィリピンと日本の揺るぎない友好関係がいかにして形作られているかを語りました。
こうした二国間関係における人のつながりを踏まえ、京都大学東南アジア地域研究研究所の大野俊連携教授が、フィリピンと日本の人的交流の基盤の変遷について考察した特別講演を行いました。
シンポジウムの締めくくりとして、「人的交流による協働の新たな可能性探求」と題したパネルディスカッションが行われ、学術協力や文化交流が二国間の関係をさらに強化する方法について議論が交わされました。このディスカッションには、三木千壽氏、フィリピン日系人連合会会長イネス・山之内・マリャリ氏、上智大学のマイラ・ヴィラリアル氏が登壇しました。
このシンポジウムには、日本およびフィリピンに関係するさまざまな分野から、会場およびオンラインで200名以上の参加者が集まりました。
1986年に設立された笹川平和財団(SPF)は、日本と他国との間の国際交流と協力を促進し、幅広い課題に取り組むことを目的としています。シンポジウムでは、SPFの萱島信子常務理事が同財団の設立40周年に触れ、インド太平洋地域の平和、安定、持続可能な開発に寄与する対話、協力、関係構築への取り組みを改めて表明しました。SPFのフィリピンとの取り組みには、「アジア政治リーダー対話フォーラム」へのフィリピン人若手中堅リーダーの参加や、ミンダナオ・ムスリム・バンサモロ自治地域(BARMM)における「女性、平和、安全保障(WPS)」アジェンダの推進に向けた調査および支援サービスなどが含まれます。

















