フィリピン大使館、フィリピン伝統宝飾品に関するアーティストトーク&展示会を開催
2024年11月21日—フィリピン大使館およびセントロ・リサール-東京は、国家文化芸術委員会(NCCA)との協力のもと、11月15日にフィリピン大使公邸において「フィリピンのジュエリー遺産」をテーマにしたアーティストトークおよび展示会を開催しました。本イベントにはアーティスト、文化愛好家、在日フィリピン人とフィリピンにゆかりのある日本人グループが集い、フィリピン宝飾品に込められた歴史と文化遺産について考える場となりました。
このトークでは、宝飾デザイナーで保存活動家のマリア・アンジェリカ・サントス=ベルメホ氏が登壇し、自著『ALAHAS: Philippine Heritage Jewelry(アラハス:フィリピン伝統宝飾品)』に基づいたプレゼンテーションを行いました。
「『ALAHAS』では、これらの作品をレジリエンス(回復力)、エンパワーメント(自立)、美しさの象徴として描いています。特にフィリピンの女性にとって、宝飾品は単なるアクセサリーではなく、それ以上のものです。自身の強さ、アイデンティティ、自尊心を表現するものとしての役割も果たしてきました」とベルメホ氏は述べました。
さらに、若い世代の間でこの伝統を取り戻す動きが高まっていることや、現代文化において遺産としての宝飾品が新たに評価されていることにも触れました。
「日本の皆様と同様に、力強く頭を上げ、揺るぎない優雅さをもって立ち続けるフィリピン女性が、他者をその存在で鼓舞し、その輝きで周囲を照らし続けることを切に願っています」と締めくくりました。
ミレーン・J・ガルシア=アルバノ駐日フィリピン大使は、宝飾品を文化的表現の手段として説明し、フィリピン文化における宝飾品の人類学的ルーツについて触れました。また、タリスマン(護符)やアミュレット(お守り)などの装飾品が、フィリピン人の歴史的かつ精神的な側面を反映していることを強調しました。
「フィリピンの宝飾品は単なる装飾品ではありません。それは私たちの歴史とアイデンティティを内包する器であり、世代をつなぎ、遺産を保存するものです」と大使は述べました。
来場者は、フィリピンの装飾文化の進化をたどる貴重な宝飾品を鑑賞する機会を得ました。これにより、植民地時代前、植民地時代、そして現代におけるフィリピン職人たちの素材や技術への卓越した熟練が紹介されました。
マリア・アンジェリカ(「ジジ」)サントス=ベルメホ氏は、38年以上にわたり活動してきた著名なフィリピン人宝飾品コレクター、デザイナー、保存活動家です。彼女はフィリピン伝統宝飾品の記録と称賛に尽力し、その成果として2024年2月に出版された『ALAHAS: Philippine Heritage Jewelry』に結実しました。290点のアーカイブおよび現代の写真と共に、宝飾品が芸術やアイデンティティの一形態として持つ意義を深く掘り下げたエッセイが収められています。
今年3月、『ALAHAS』はフィリピン貿易産業省の「Good Design Awards」のイメージメイキング部門でRed Awardを受賞しました。この賞は日本の「Good Design Awards」に触発されたものです。